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100年受け継がれてきた技術とこれから    

マスミ鞄嚢 営業部の植村です。
今回はマスミ鞄嚢の技術についてお話しできればと思います。

弊社は今年で109年目となりますが、創業当初から今でも受け継がれてきた技術がいくつかあります。
それらは時代の流れとともに全盛期よりは需要が少なくなっていった技術でもあるかと思いますが、その技術を頑固に続けてきた結果今のマスミ鞄嚢の大切なDNAとなっています。

マスミ鞄嚢はバッグメーカーでありながら、木の加工と革の張り込み、縫込みができる日本で唯一のメーカーであることは以前の記事でもお話しさせていただきました。
その技術を駆使し、アタッシュケース、船ダンス、時計ケース、ジュエリーケースなど様々な箱モノバッグや什器、家具まで製作をしています。

箱モノバッグ等は木の加工が必要なのですが、その木の加工こそがマスミ鞄嚢が受け継いできた技術です。実際にどんな技術かご説明すると、
木を熱で曲げる技術と木にスリット(溝)を入れて曲げる2つの技術があります。

写真のように熱で木を曲げてR(アール)を作ります。
この技術を習得するのにも数年はかかるそうで、力の加え方にコツがいるとのこと。弊社でもこの技術を行えるのは2人ほどで長年勤めた熟練の職人が行う作業です。

もう一つがスリット(溝)を入れて木を曲げる加工。こちらは熱で曲げる加工に比べ、R(角度)の自由度が高いのが違いです。また熱曲げよりも作業効率も良く、たくさんの量を生産するのに優れています。
生産するバッグによってRのつけ方を変えていきます。

木を曲げて木枠を製作した後は、木に革を張り込むもしくは縫い込んでいきます。
上記のバッグは革を張り込んだもの。
こうしたバッグは現在ではあまり見かけなくなった分、弊社の商品の特別さが際立つようになってきたと感じます。

アタッシュケースがその代表例で昔はよくビジネスのシーンで使用されていたバッグでしたが今は昔ほど使用されなくなってきたと思います。(一方で一部のアタッシュケース好きなお客様は一定数いらっしゃり、弊社の商品に魅力を感じご購入いただけている印象です。)

バッグとしては使用されるシーンは減りましたが、この技術を生かして時計ケースやジュエリーケースなどのインテリア商品として現在ではお客様からお選びいただいております。

100年受け継がれてきた技術を絶やすことなく、継承していきたい。だけど需要がなければ絶えてしまうことは必然で、それをどのようにすれば絶やさずにつないでいけるかは自分たちで試行錯誤するしかないなと感じます。
これからもマスミ鞄嚢のモノづくりが特別であり続けるために技術の継承と時代の変化に適応することが重要だと感じております。

次回は弊社が使用している特別なミシンについてご紹介します。

HPでも弊社のモノづくりについてご紹介しておりますので併せてご覧になってみてください。

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